男性型脱毛症(AGA)の遺伝子検査について

男性型脱毛症はAGAとも呼ばれ、主に思春期以降の男性に起こる、前頭部の髪の生え際が後退したり、頭頂部の髪のボリュームが低下したりする薄毛症状のことで、女性で発症した場合は、女性男性型脱毛症(AGA)・FAGAと呼ばれていて、男性のパターンとは異なり、生え際のラインは変わらずに頭頂部・前頭部を中心に頭部全体の毛髪が細くなることが多く、完全な禿髪になることは稀です。男性型脱毛症(AGA)の年代別の発症頻度は、20代で約10%、30代で20%、40代で30%、50代以降で40数%と年齢とともに高くなっています。

 

 

 

AGAリスク要因は、現在のところ明確には分かっていませんが、遺伝的要因と環境的要因があると指摘されており、中でも男性ホルモン受容体の遺伝子変異とジヒドロテストステロンの合成量の2つの遺伝的要因と、生活習慣などの環境要因が大きく関係していると言われています。母親から遺伝するX染色体上にある、男性ホルモン受容体遺伝子の遺伝的多型は脱毛に関連していますし、また常染色体の3q26や20p11上にも男性型脱毛症(AGA)につながる疾患関連遺伝子が存在していることが知られています。

 

 

 

男性ホルモン受容体はさまざまな男性ホルモンと結合して、毛髪の成長を促進しますが、その遺伝子変異によって男性ホルモンとの結合しやすさが変化し、毛髪の成長レベルが変化して、男性型脱毛症(AGA)の原因となっていきます。また、5α−還元酵素によって男性ホルモンの一つである、テストステロンからジヒドロテストステロンが作られると、毛乳頭細胞に存在する男性ホルモン受容体と結合して、ヘアサイクルを乱し、成長期を終了させてしまいます。5α−還元酵素には、1型と2型があり、1型は頭皮の皮脂分泌に関連し、2型は毛髪の成長に関連していて、2型5α−還元酵素によって作られるジヒドロテストステロンは、他の男性ホルモンに比べて薄毛症状を引き起こす力が10倍以上あると言われており、そのため、毛髪が太く、長い毛に成長する前に抜けてしまい、十分に成長しない細く短い毛髪が多くなって薄毛症状になってしまいます。

 

 

 

DNAは、アデニン(A)・チミン(T)・グアニン(G)・シトシン(C)の4つの分子の組み合わせで構成されていますが、そのうちシトシン・アデニン・グアニンの繰り返し配列をcagリピートといい、これはさまざまな病気の原因となっている特徴的な遺伝子配列で、男性型脱毛症(AGA)の遺伝子検査を行った場合も、男性ホルモン受容体遺伝子のDNA配列内にあるcagリピートの数を判定します。cagリピート数とggcリピート数の合計が38より小さいと、テストステロンが毛乳頭へ入り込みやすく、脱毛リスクが高いこと、cagリピート数単独で24以下であるとジヒドロテストステロンの影響を受けやすい体質で、男性型脱毛症(AGA)治療薬のフィナステリドの効果が期待できるとされています。若年性脱毛症の可能性があるか否か、また育毛剤の成分を使った場合に効果があるか否かも判断し、この結果をもとに、どの様な種類の脱毛症なのかを解釈し、現在認可されているフィナステリドやミノキシジルなど、自分の男性型脱毛症(AGA)治療に適した薬を使用したり、その他にすべき予防策や治療法があれば教えてもらう事ができる可能性があります。

 

 

 

また、髪も体の一部なので、不規則な生活をすると弱ってしまいますし、暴飲暴食、アルコール摂取など、食生活が偏ったり、睡眠時間が少なかったり、喫煙していたり、ストレスが大きいと、代謝や血行が悪くなり、充分な栄養を毛根に届けることが出来ません。それが原因で、男性型脱毛症(AGA)が原因による薄毛の進行を早めたり、ホルモンバランスの乱れを引き起こして、男性型脱毛症(AGA)の進行に影響すると考えられます。規則正しい生活リズムを保つこと、栄養バランスの取れた食事をすること、適度な運動と十分な睡眠という、健康的な生活が髪にも重要です。