髪はなぜ、薄くなるのでしょう。脱毛症のメカニズム 成人男性のうち約3割が気にしているという「髪の悩み」はたして、脱毛症のメカニズムとはどの様なものなのでしょうか?

脱毛症への対応

脱毛症の対応には様々な手段がありますが、その選択肢を考える場合、進行度や当事者のメンタルケアを抜きにして多くを語る事は出来ません。仮に同年代の2人が同じ様な薄毛の外観にあったとしても、現在進行中にあるのか否かや、日常生活の充実度・人間関係の満足度などの周辺要素によっても求めるものは変わり、適切な対処法は異なるのです。その中でも代表的な選択肢を下記に記したいと思います。

a) 医療機関での発毛治療

前述の通り、2005年のプロペシア錠の国内認可に伴い、AGA治療と呼ばれる男性型脱毛症の治療が盛んとなっています。長年認可を待たれた薬剤という事もありその効果は期待されていますが、素晴らしい薬剤とはいえ万能という訳にはいきません。誰もの毛量が見違えて激変する訳ではありませんし、脱毛症自体が完治するというものでもないのです。

しかしながら、効果をきちんと理解・把握してこそ満足感が伴うという点を理解すれば、非常に有効な対処策である事には間違いがありません。事前のインフォームドコンセント(説明と同意)や、主治医との信頼関係が重要になってくると言えるでしょう。

b) 育毛剤・サプリメント等によるヘアケア・スカルプケア

今や国内において、年商350億円ともいえるスカルプケア市場。その中心となるのは、育毛剤・育毛シャンプーといったホームケア用品であり、大手医薬品メーカーや化粧品メーカーなどから様々な商品が販売されています。これらの商品はいわゆる「医薬部外品・化粧品」という認可のアイテムであり、頭髪においてはそれぞれ下記を目的としております。

◆ 医薬部外品 (薬事法抜粋 第二条第2項)
次の各号に掲げることが目的とされており、かつ、人体に対する作用が緩和なものであって器具器械でないもの及びこれらに準ずる物で厚生労働大臣の指定するものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、前項(医薬品の定義)第二号又は第三号に規定する用途に使用されることもあわせて目的とされている物を除く。 項目3.脱毛の防止、育毛又は除毛

◆ 化粧品 (薬事法抜粋 第二条第3項)
化粧品とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。

それぞれに共通する目的は、頭髪にとっての健やかな環境を準備する事にあり、そういう意味ではサプリメント(栄養補助食品・健康補助食品)の使用も近しい目的と言えるでしょう。健やかな頭髪を守るための環境整備こそが、真の意味でのヘアケア・スカルプケアなのです。

c) 増毛・かつら

前述した2つの対処法と異なり、人工的な擬似毛髪で頭髪を増やす方法に「かつら・増毛」があります。どちらの方法も好みのボリュームまで具体的に毛量を増やす事が可能なため、ボリューム感としての満足度の追求が容易です。

ただし、その方法ごとに手法が大きく異なるため、自身の「考え・好み」を反映させる事により、自然さや違和感、満足度などの追求が必要となります。

また、使用に関してはそれぞれに定期的なメンテナンスも必要とされるため、その仕様に関しては十分な理解が必要です。

◆ かつら
シリコンやポリウレタンなどの樹脂やネット状のベースに植毛した擬似毛髪を、ピン・テープ・自毛への編み込み等で固定し脱毛部位を覆う方法。擬似毛髪以外のベース部分による装着感に違和感を持つ場合もあるが、人工的に好みの毛量まで髪を増やせるという利点に満足感を持つ方も多い。ピン・テープ装着を採用した「脱着式かつら」と、自毛に編みこむ事で脱着を不要とした「固定式かつら」の 2つのタイプがある。脱着式かつらを使用する場合には、帰宅時に外す事で日々のメンテナンスが可能となるが、固定式かつらを使用した場合には月に1度程度のペースで専門のサロンに赴き、メンテナンスを受ける必要がある。

◆ 増毛
擬似毛髪を用いて頭髪を増やすという意味では「かつら」と相違はありませんが、「擬似毛髪以外の異物の使用を控える」という点に特徴を持ったものが「増毛」の技術です。その方法はメーカー毎に様々で、数本の人口毛髪を自毛の根元に結着する方法や、ライン状もしくは格子状に植毛した毛束を薄毛部位周辺の毛髪に固着する方法、透明な人工皮膚のシートに植毛した人工毛を薄毛部位に面上に貼付する方法などが代表的なものとされます。方法が多岐に渡る事により様々なタイプの薄毛に対応が可能です。外観の大きな変化が可能なため、見た目の満足度は非常に高いといえますが、かつら同様定期的なメンテナンスが必要となります。

d) 植毛

自毛・人工毛を問わず、頭皮下に毛髪を直接植え込む技術を「植毛」と呼びます。植毛には、大きく分けて「生毛植毛」と「人工毛植毛」の2種類があり、単に毛髪を植えるといっても、その方法は大きく異なると共に、実施後のメンテナンスに関しても全く違うものとなります。

◆ 生毛植毛
薄毛部位の皮膚に、後頭部や側頭部の毛髪を毛根ごとに株分けし移植する方法。移植した毛根は移植前の部位の特性を引き継ぐため、大半において植毛した頭髪には以前と同様の生え変わりが生じる。賽の目状に株分けした毛根を毛流に合わせ効率的に移植する事により、実際の植毛量以上のボリューム感を期待する事が可能となる。

◆ 人工毛植毛
薄毛部位の皮膚下に、ナイロン等の擬似毛髪を植え込む方法。人工毛を植毛する為に、生え変わりが無い事による経年変化と、頭皮に異物を植え込む事によるダメージを危惧しなければいけない。

e) ヘアスタイルの変更

基本的な方法ではありますが、美容師などのアドバイスを元にヘアスタイルを変更する事で、初期の症状の場合薄毛が気にならなくなる事も多い。

抜け毛や触感でのボリューム変化など、薄毛の初期において症状以上に気に病んでしまうケースも非常に多い。若年層では特にその傾向が高く、美容師などの専門家のアドバイスに耳を傾ける事で、悩みが軽減するケースも往々にしてあります。

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