AGAとは「男性型脱毛症(AGA)」の意味で、成人男性によく見られる髪の毛が薄くなってくる状態の事を言い、早い人では思春期以降から始まり、額の生え際や頭頂部の髪が薄くなってきますが、どちらか一方が薄くなるか両方薄くなってくるかはその人によって違います。
男性型脱毛症(AGA)の進行パターンは大きく分けて「頭頂部」から薄くなっていくタイプ、「額の生え際」から後退してくるタイプ、「前頭部」から後退していくタイプの3つがあり、この他に同時に薄くなっていく混合タイプがあります。有名な分類方法として「ハミルトン・ノーウッド分類」という分類の方法もあり、これはアメリカのハミルトン医師が男性型脱毛の進行パターンを7つのステージに分類したもので、大きく分類すると前頭部生え際が後退するM型、頭頂部から脱毛していくO型の分けられどちらか一方、もしくは両方同時に進行してゆき、私たち日本人に一番多くみられるのは、頭頂部がメインで薄くなっていく「VERTEXⅡ型」と呼ばれるものです。
脱毛の段階も進行具合によって分類されており、「第一段階」~「第3段階」に分類され各段階の中でも、さらに細かく「レベル1」~「レベル7」まで分けられ、「レベル1」は脱毛が始まっていないか、始まっていても気が付かない程度ですが、「レベル3」になると生え際から徐々に進行が目立ち、頭髪全体にボリュームもなくなった状態、最終的な「レベル7」は全体的に進行してしまった状態を言います。この進行具合によって実は、「進行に合わせた治療」というものが必要で、「第1段階」では育毛シャンプーや育毛剤、AGA治療薬などで対応し、発毛を促進しますが、「第3段階」になると毛母細胞が死んでしまっている部分が多く、発毛の期待は薄くなってしまいます。
植毛かかつらを進められることが多いと思います。この進行パターン・段階を見るとわかりますが、AGAの治療を行うには、ハミルトン・ノーウッド分類の「レベル3」位までは毛母細胞がまだ生きている可能性が高いためAGA治療の効果が出やすく逆に「レベル5」以上になってしまうと治療によって生える可能性はあるが、見た目に治ったと言えるまでの効果は難しくなってしまいます。
男性の多くの人が悩んでいるAGAによる薄毛の原因はいまだ特定されておらず遺伝や男性ホルモンによるものという説が有力ですが、血行や生活習慣・ストレスによるものではないかという意見もあります。AGAによる脱毛部位にはDHT(ジヒドロテストステロン)という物質が高濃度に見られ、このDHTはヘヤサイクルの成長期を短くしてしまうといった恐ろしい物質です。
成長期が短くなってしまうという事は髪の毛が太く、長く成長する前に退行期という髪の太くするための毛球の退縮が始まる状態に移行してしまい、結果として細くて弱弱しい髪が増え抜け毛が増えるだけではなく全体的なボリュームダウンにつながってしまいます。通常、正常の場合は、髪の成長期は2~6年といわれていますが、AGAの場合この成長期が数か月~1年とたいへん短く、この髪の太さというものはとても重要で同じ本数でも髪の毛が細いのと太いのでは見た目が全く違うのです。
実はこのほかにAGAではないのですが、「円形脱毛症」と呼ばれるものもあり、よく耳にするかと思いますが、脱毛原因・メカニズムはAGAと全く異なるので、円形脱毛症の場合は医師の診断のもと治療していく事が大切です。脱毛に悩んでいる人は多いですが、恥ずかしいから、まだ大丈夫だからという理由で治療を行っていない人も多いですが、ハミルトン・ノーウッド分類や進行段階から考えると、AGA治療は症状が軽い段階でに早めに行うのが重要です。